2019/02/11 13:14
大量生産による過剰在庫やトレンドの移り変わりもあって、洋服はスピーディーに消費され、新しく作られたモノが数年後には捨てられてしまう。
現代のそんなファッションの状況には少し違和感を覚えます。
洋服の選択肢やファッションの愉しみ方は人それぞれですが、やはりいつまでも永く大切に付き合っていけるようなモノを選んでいきたいですよね。
好みのデザインかどうかという基準は重要ですが、プラスして、モノづくりの情熱が透けて見えるアイテム(ブランド)かどうか。
それを感じるものにはより一層惹かれるものがあります。何より着用していても気持ちが良いですし愛着も湧きます。
そこで注目頂きたいのが「KICS DOCUMENT(キクスドキュメント)」というブランド。
日本の職人の熟練した技術を駆使し、素材、パターン、縫製、加工と全て日本製に拘る、「All Made in JAPAN」なプロダクツを展開します。
まずは、ブランド設立当初より展開する定番型のロングテールシャツを紹介します。
「KICS DOCUMENT」Premium Cotton Long Tail Shirt
後ろ着丈が長く、前後差のあるヘムライン(裾のライン(形)のこと)が特徴。(前身頃より約10cm長く設定)
レイヤードしてもバランスが取りやすい万能アイテム。
深めのスリットは、パンツのポケットに手を入れる際、シャツ裾が邪魔にならずシルエットも崩れにくいなど、とても気が配られた設計となっています。
因みにコチラは「KHONOROGICA(コノロジカ)」という名義であり、同ブランドの別ネーム。
グレードをさらに高くした生地を使用してのプレミアムラインで、その気心地は別格だと感じます。
120番双糸の上質な綿糸を使用し、浜松で開発を重ねたブランドオリジナル。
細番手ならではのシルクタッチながら、パリッと張りのあるブロード素材です。
浜松といえば、遠州産地として日本の三大綿織物産地の一つとして知られていますが、
その歴史は江戸時代にまで遡り、天竜川の豊かな水と温暖な気候によって、綿花の産地として栄えてきました。
古くから培ってきた技術で生み出される生地は、海外の有名ブランドにも使われるなど、クオリティが非常に高いものです。
具体的な機屋さんは明確ではありませんが、当方も浜松出身であり、最近は実際に現場を見ては職人さんと直接お話する機会にも恵まれましので、
どんな想いで取り組んでいるのか、そしてその技術の高さ・難しさ・苦労なども感じ取る事が出来ました。
生地が地元産となれば尚更愛着が湧きますよね。
話は反れましたが、この「KICS DOCUMENT.」は他には見ない『前振り袖』が特徴的。
テーラードジャケットのように袖付けをセットイン(後付け)にすることによって、肩から腕の前方向への運動量が増え、人間の自然な姿勢や動きに心地よくフィットさせます。
また、後ろ肩のヨークも通常であれば真っ直ぐなラインですが、曲線となっているのも一つのポイントです。
小振りの襟先は僅かに丸みがあり、トップボタンは黒のくるみボタン。
袖のボタンを外して折り返した際にも、シルエットが綺麗に立体的にキープ出来るよう袖のボタン配置が計算されています。
カフスボタンは、レーザーで刻印したというブランドネームが刻まれています。
刻印した後に職人さんが一個づつ墨を入れているのだそうです。
ハンドメイドですので微妙に墨の乗り具合に違いがあったりしますが、それが魅力となり温もりを感じます。
また、袖とカフスの合わせにはギャザー仕立て(生地を寄せてプリーツみないなディテール)
着用した際の手首部分が立体的に微かにフワッと感を生み出し、クラシックなドレスシャツなどでは見かけるディテールです。
着丈が長いのは後身頃だけですので、前から見ればいたってベーシック。
見る方向でシルエットが違って見えるのが面白い所です。
色目は白×グレーなので、シックなストライプシャツを探している方、シンプルでも少し変わっているモノなどを探されている方には是非チャレンジいただきたいと思います。
「肩肘張らずに、本当に良い服を着て欲しい。
その着心地の良さから、日本の職人技を感じて欲しい」
「日本には海外に誇れる職人技が沢山あります。それは絶対に絶やしてはいけない大切なもの。
日本の職人技術を守り、継承していく足がかりとなるブランドを目指していく」
そんなブランドの想い。
是非袖を通してみてください。
「KICS DOCUMENT.」Premium Cotton Long Tail Shirt (size3〜size5) / ¥24,000+tax.